ジルコニア

主原料である酸化ジルコニウムにイットリウム(Y203)などの材料を加えて作られたセラミックスで、白色の個体で通常のセラミックス(約60~90Mpa)と比べ、約10倍(約900~1,200Mpa)もの曲げ強度を持っています。
日本では2005年に認可が取れて以来、需要が高まっていますが、ジルコニアでの治療はまだ歯科補綴治療のわずか4%です。一方、アメリカではすでに35~40%がジルコニアでの治療になっています。

特徴

強度従来のセラミックスの約10倍もの曲げ強度があり、金属と同等の強度を誇る。ロングスパンブリッジも可能。口腔内で圧力がかかりクラックが入ってしまった場合、ジルコニア自体の結晶構造が膨張変化し、クラックの拡がりを防ぐため破折しにくい。
重さ金属の約1/3の重さなので、歯にかかる負担を軽減できる。
生体親和性金属を使用しないため生体親和性がよく、金属アレルギーの患者様でも適用できる。口腔内で腐食することがないため、経年により黒くなることがない。
審美性従来のセラミックスに比べて透明性は低いものの、光の透過性が高いため、天然歯のような自然な色調を再現できる。

ジルコニアのデメリットは、従来のオールセラミックスに比べて若干割高であること。また、非常に稀ですが、ジルコニアフレームが破損しなかったとしても、ジルコニアフレームの上に築盛された陶材が剥離したり、破折したりする可能性はあります。

ジルコニア4本ブリッジ(唇側)

ジルコニア4本ブリッジ(唇側)

ジルコニア4本ブリッジ(内面)

ジルコニア4本ブリッジ(内面)

ジルコニアの上顎前歯の4本ブリッジ。ジルコニアフレームの上にポーセレンを盛ることにより天然歯に近い透明感を再現しています。
メタルと違って光の透過性があるため、光を遮ることがなく、美しい歯に仕上がります。